まいみその、お竈を起こす

 寒中お見舞い申し上げます。

 タイトルにある漢字、読めるでしょうか。うーん、口で説明するにも難しい漢字。「穴かんむりに中華マークみたいな字から尻尾が生えたような…」、かまど。時々、ジメッとした部屋の片隅でこちらをじっと見ているあいつ、間合いを詰めた瞬間、ビヨヨ~~ンと素晴らしい跳躍力を見せつけこちらをビビらせる。そいつの名は竈馬。薔薇同様ごまかすように片仮名では書かれるが漢字では滅多に書かれることがないちょっぴり可哀そうな字、竈。 

 工房にかまどができた。これにより熱効率が良くなり、煮る炊く蒸す作業が一時間ほど短縮できた。何しろ煮炊き作業は厳冬期の夜明け前、零下10度の中で行われるので一時間の短縮は本当にありがたい。昨年までは薄い鉄の囲いで仕立てた竈風かまど。薪が盛んに燃焼しても熱の半分は逃げていたのだろう。

 その昔、世帯で竈を持つことはその世帯が独立し一人前になった証。このかまど、経験豊富な宮下農園の宮下さん作製のかまどですから、「まいみそのでお竈を起こしなさい」、つまり財を成しなさいでしょうか。宮下さんからのそんなメッセージが薪のはぜる音とともに聞こえてくるようです。背筋が寒く、いいえ、背筋が伸びる思いで日々作業を行っています。竈という字はなかなか意味深です。 

 私、安部、相変わらずブログ更新が滞っています。すみません。昨年10月頃からのまいみその関連経過報告をざっと記載しておきます。10月、まいみそのを持って埼玉県飯能市名栗祭へ参加。同10月、武石おさんぽギャラリー開催、宮下さん農の間OPEN 11、12月、まいみそのを使ったお菓子作り検討。そんなこんなで年が明けて2017年2月は宮下米麹造りとまいみその仕込み予定です。大変遅くなりましたが、まいみその共々今年もよろしくお願いします。

 寒さも本番を迎えました。麹室内の温度と外気温の温度差が±30度を超える日々が続きます。私事ですがさすがに気を付けなければなりません。皆様もどうぞお風邪など召しませぬよう、お体ご自愛下さい。