熊沢古道

 宮下農園がある小寺尾地区に使われなくなった道、いわゆる古道がある。熊沢峠を経て霊泉寺に至る初冬の熊沢古道を歩いてみた。過去、炭焼きの道、入会地の茅場へ行く道、温泉へ行く道として人々が行きつ戻りつ生活のために使っていた道。冬枯れの道中、積もった枯葉に腰を下ろし、三年熟成まいみそのを添えて白飯でお昼。頼りなげな陽光がほんのりと暖かい。そういえば、仕込みに使う麹蓋も古の香り。直しながら大事に使うことの大切さをふっと思う。やがてこの道も白銀の世界に。仕込みが待っている。プルっと身震い…